高分子材料に放射線が照射されると、電離や励起などの反応が発生し、分子中にラジカルが生成されます。
　そのラジカルが、酸素と反応し、過酸化ラジカルが生成され、酸化反応が進んだり、ラジカル同士が結合して架橋したり、様々な間接作用を引き起こして、材質に変化を及ぼします。

1.強度変化

分解反応が多いと劣化し、架橋反応が多いと強化されます。

2.照射臭

ラジカルが酸素などと反応し、揮発性ガスが発生します。
低濃度のため、人体に影響はありません。

3.着色

(例)アクリル

線量が高いほど、
黄色の着色度合が大きくなります。

　放射線照射時における劣化の原因は、主にラジカルの生成による酸化反応です。ラジカルの生成と、酸化反応を抑えることができれば、劣化を防ぐことができます。
　ラジカル発生要因となる、イオン、電子などを捕捉する物質や、直接ラジカルを捕捉する物質、また、酸化反応を抑える物質などを材料に添加することにより、放射線に対する安定性を高めることができます。
　各メーカーから、耐放射線包材や材料が販売されています。